インバウンドコールセンターの業務内容は?種類や必須スキルを解説

公開:2025/06/30 更新:2025/06/30
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コールセンター業務のなかでも、「インバウンド業務」は顧客からの問い合わせに対応する企業の“顔”として、重要な役割を担っています。


電話越しのやり取りで顧客満足を高めるためには、単にマニュアルをこなすだけでなく、高いコミュニケーション力や的確な問題解決力、そしてプロ意識が求められます。


この記事では、コールセンターのインバウンド業務に求められる具体的なスキルや、どのような人がこの仕事に向いているのか、さらに日々の業務を円滑に進めるための成功のコツについて詳しく解説します。


これからインバウンド業務を始めたいと考えている方はもちろん、すでにコールセンターで業務に携わっている方にとっても、スキルアップのヒントになる内容ですので、ぜひ参考にしてくださいね。


コールセンターのインバウンドとは?


インバウンドとは、主にかかってくる電話を受ける業務


コールセンター業務の一つである「インバウンド」とは、お客様からかかってくる電話に対応する、いわゆる“受信業務”のことを指します。

オペレーターが自ら電話をかけるのではなく、問い合わせや相談、注文、クレームなどの電話を受けて応対するのが基本です。

インバウンド対応では、すでに商品やサービスに興味や課題を持っているお客様がほとんどです。

そのため、対応の仕方によっては顧客満足度を高めることができ、企業の信頼や売上向上にもつながります。

インバウンド(受信)業務の内容とその特徴


インバウンド業務の主な内容は、商品やサービスに関する質問への回答、注文受付、クレーム対応、契約内容の確認、テクニカルサポートなど多岐にわたります。

コールセンターへかかってくる電話の内容は事前に予測が難しいため、柔軟な対応力や商品知識が問われる業務でもあります。

業務の特徴として、電話口での対応力・共感力が強く求められる点が挙げられます。

中には厳しい口調のお客様もいますが、真摯に耳を傾け、問題の本質を見極めて丁寧に対処することで、信頼を得ることができるでしょう。

また、お客様の声を直接聞けるポジションだからこそ、商品改善やサービス向上のヒントを得られることも多く、企業の成長に貢献できるやりがいのある仕事でもあります。


インバウンドとアウトバウンドの違い


業務内容の違い


インバウンドとアウトバウンドは、業務スタイルが大きく異なります。

インバウンドは、顧客からの電話に応じて対応する受動的なスタイル。
問い合わせや申し込み、解約、クレーム処理など、「お客様の声に応える」ことが主な役割です。

アウトバウンドは、コールセンター側から顧客へ電話をかける能動的なスタイル。
新商品の案内、キャンペーン情報の紹介、アンケート調査など、「企業側のアクションを起こす」ことが主な業務です。

インバウンドは“サポート型”、アウトバウンドは“営業型”とも言えます。

同じコールセンター業務でも、インバウンドとアウトバンドでは業務内容はもちろんのこと、求められるスキルや適性も異なってきますので、事前に違いを知っておくと実際の業務に就いた際のギャップが少なくなるでしょう。

求められるスキルの違い


インバウンド業務では、主に「傾聴力」「問題解決力」「感情コントロール」が求められます。

予想外の質問や感情的なお客様にも落ち着いて対応する必要があるため、的確な判断力と冷静さが重要です。


一方で、アウトバウンド業務では、「提案力」「コミュニケーション力」「トークスキル」が中心になります。

架電した際、お客様に興味を持ってもらい、購買行動につなげるためのプレゼンテーション能力が問われるため、セールストークの構成や心理的な駆け引きも必要です。

両者に共通して必要なのは「相手の立場を理解し、信頼関係を築く姿勢」であり、業務スタイルに応じた適性が成功の鍵となります。



インバウンドコールセンターの仕事の種類は?


カスタマーサポート:問い合わせ対応、クレーム処理


カスタマーサポートは、すでに商品やサービスを利用しているお客様からの問い合わせに対応するコールセンター業務です。

「使い方が分からない」「機能がうまく作動しない」といった技術的な質問や、「注文内容の確認」「返品・解約方法」などの要望に対応します。

ときにはクレーム処理も含まれるため、単なる応答だけでなく、お客様の不満を受け止め、冷静に対処するスキルが求められます。

対応一つで企業のイメージを左右するため、コールセンターの中でも重要なポジションと言えます。

テレオペ:商品・サービスの申し込みと解約


テレオペ(テレフォンオペレーター)は、主に商品の申し込みやサービス契約の受付、また解約手続きの対応を担当します。

お客様のニーズを正確に把握し、必要な情報をヒアリングして処理を進めるため、事務的な正確さと応対マナーが両立できる人材が求められます。

また、申込内容をデータベースに入力する作業も伴うため、パソコンスキルや情報管理への意識も不可欠です。

テクニカルサポート:商品・サービスへの質問対応、解決


テクニカルサポートは、商品やサービスを実際に使用しているお客様からの技術的な質問に対応する業務です。

コールセンターへ寄せられる問い合わせの例としては、「Wi-Fiがつながらない」「アプリが起動しない」など、機器やシステムに関する不具合や設定方法などの相談に乗ります。

この業務では、一定以上の専門知識が必要とされるほか、非専門的な顧客にも分かりやすく説明するスキルが重要です。

知識だけでなく、伝える力も求められる職種と言えるでしょう。

コールセンターのインバウンド業務に必要なスキル


インバウンド業務は、ただ電話に出るだけの仕事ではありません。
顧客の要望や困りごとに迅速かつ的確に対応するためには、さまざまなスキルが求められます。

ここでは、インバウンド業務に携わるうえで重要となるスキルを解説します。

コミュニケーションスキル


インバウンド業務における基本中の基本が、コミュニケーションスキルです。

コールセンターでは、電話越しに相手の話を正確に聞き取り、的確な返答を行うため、傾聴力と表現力の両方が必要になります。

また、話すスピードや声のトーン、言葉遣いも顧客満足度に直結するため、意識的に磨いておくと良いでしょう。

コールセンター内でのトレーニングやロールプレイングを繰り返し行うことで、一定レベルのコミュニケーションスキルを身につけることもできます。

迅速な問題解決能力


顧客からの問い合わせやクレームには、迅速かつ適切な対応が求められます。

何を求められているのかを素早く把握し、マニュアルやシステムを活用して最善の回答を導く判断力が重要です。

ケースによっては複雑な対応が必要となることもあるため、冷静に状況を整理し、柔軟に対応する力が求められます。

顧客対応のプロフェッショナリズム


どんなに難しい対応や理不尽なクレームであっても、感情的にならずに対応できる「プロ意識」は、インバウンド業務において欠かせません。

常に落ち着いた態度で、丁寧な言葉遣いを保ち、企業の顔の一人としての自覚を持って行動することが求められます。

テクニカルサポートスキル


製品やサービスの技術的な質問に対応するには、一定のテクニカルスキルも必要です。

特にIT系や通信機器のサポート業務では、パソコンの基本操作やソフトウェアの知識があると業務をスムーズに行えます。

マニュアル通りに対応するだけでなく、背景の技術を理解していることで、より説得力のある説明が可能になります。

インバウンド業務に向いている人の特徴は?


コールセンターのインバウンド業務は、誰にでもできる簡単な仕事ではありません。
求められるスキルや対応力を身につける必要があり、適性によって向き・不向きが分かれる仕事でもあります。

ここでは、インバウンド業務に向いている人の特徴を紹介します。

商品・サービスへの知識を学べる人


インバウンド業務では、自社の商品やサービスに関する正確な知識が必要不可欠です。

そのため、学習意欲があり、新しい情報を吸収することに前向きな人はこの仕事に向いています。
分からないことがあっても、自ら調べ質問して解決しようとする姿勢が評価されます。

人の役に立つことが好きな人


顧客の悩みや疑問を解決するインバウンド業務は、「ありがとう」と感謝される場面も多い仕事です。

誰かの助けになることに喜びを感じるタイプの人は、大きなやりがいを感じられるでしょう。
親身になって話を聞き、丁寧に対応する姿勢が自然とできる人に適しています。

単純な作業やパソコン作業が得意な人


コールセンター業務では、対応履歴の入力やマニュアルに沿った対応など、パソコン作業が日常的に行われます。

また、同じような問い合わせが続くことも多く、単調な業務をコツコツこなせる集中力と正確性が求められます。
ルーティンワークが苦にならない人は、ストレスなく働けるでしょう。




インバウンド業務の成功のコツ


インバウンド業務で成果を上げるためには、スキルだけでなく、日々の対応の中で意識すべき「姿勢」や「工夫」も重要です。

顧客満足度を高め、トラブルを未然に防ぐための実践的なポイントを紹介します。

相手の意見を否定せず尊重する


顧客との対話のなかで、自分の意見と異なることを言われる場面もありますが、まずは相手の考えや気持ちを受け止める姿勢が大切です。

たとえ顧客の理解が間違っていたとしても、頭ごなしに否定するのではなく、「ご不便をおかけして申し訳ございません」「そのように感じられたのですね」といった共感の言葉を添えることで、信頼関係を築くことができるでしょう。

クレーム対応は冷静に対応する


インバウンド業務では、時に理不尽とも思えるクレームに直面することもあります。

しかし、感情的にならず、事実とルールに基づいて冷静に対応することが重要です。

相手の話を最後まで聞き、必要に応じて謝罪の姿勢を示しつつ、迅速かつ丁寧に対応することで、顧客の怒りを和らげ、企業への信頼回復にもつながります。

商品・サービスについての知識を頭に入れる


顧客は「詳しい人」「わかっている人」の言葉に安心感を抱きます。

逆に、曖昧な答えを提示してしまうと、本当にわかっているのか?と不安にさせてしまいます。
そのため、担当する商品の特長やよくある質問への対応方法など、基本的な情報はしっかりと頭に入れておきましょう。

また、アップデートされた内容やキャンペーン情報なども随時チェックし、最新の知識で対応することが、顧客満足度向上につながります。
知識が自分の自信となり、対応にも安定感が出てくるでしょう。



まとめ


インバウンド業務は、ただ電話に出て対応するだけの仕事ではなく、顧客の信頼を築く大切な窓口です。

コミュニケーションスキルや冷静な判断力、商品知識など、幅広い力が求められる一方で、それらを身につければやりがいのある仕事へと変わります。

また、顧客の意見を尊重する姿勢や、クレームへの冷静な対応、日々の学びを継続する努力が、インバウンド業務を成功に導く鍵です。

こうしたポイントを意識することで、顧客からの信頼を得られる対応ができるようになるでしょう。
自身のスキルを磨きながら、より良い顧客対応を目指していきましょう。



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