コールセンターのSVになるには?仕事内容や求められるスキルも解説
公開:2023/12/23 更新:2023/12/23
コールセンターのSV(スーパーバイザー)は、コールセンターの中にあるさまざまな役割の一つで、現場を監督・管理する人を指す役職です。
現場管理をしながら人材教育や指導・クライアントとの打ち合わせも行うなど、受け持つ仕事は多く、コールセンターに欠かせない司令塔といえます。そのため、実際の仕事内容や年収などが気になっている方も多いです。
そこで今回は、SVが具体的にどのような仕事を担当しているのかを紹介します。
また、必要なスキルに関しても紹介しているので、SVを目指している方はぜひ参考にしてください。
【コールセンター】SVとは
SVは、コールセンターの中にあるさまざまな役割の一つで、現場を監督する人や管理する人を指す役職です。
現場管理をしながら人材教育や指導・クライアントとの打ち合わせや目標設定など、受け持つ仕事は多岐にわたります。オペレーターの育成・フォローは、SV1人につき数名から20名ほどを担当する場合が一般的です。
仕事内容
SVの仕事内容は、主に以下の6つです。
- オペレーターからの質問に答える
- オペレーターの勤怠管理
- オペレーターの育成
- サービス向上のためのフィードバック
- 日々の問題点を解決していく
- クレーム対応 など
そのほかにも、SVが対応する仕事はあります。
数多くの業務内容を行うためには、業務内容を理解するだけではなく、臨機応変に応対する力が必要です。また、オペレーターとして商品やサービスに関する問い合わせ対応を行える深い知識も求められます。
年収
一般的なオペレーターの給与水準に比べて、SVの給料は高い傾向にあります。
特に首都圏エリアでは、時給1,600〜1,800円以上の求人や、月給25万円以上の求人もあります。なかでも、知識が必要な保険・金融系のSVでは、ほかのコールセンターよりも高めの時給設定になりやすいです。
給与が高い理由は、仕事の難易度の高さと業務内容にあります。
例えば、SVはオペレーターが対応し切れない二次応対・オペレーターの育成・コールセンター現場の管理や運営など、さまざまな業務を担当する必要があります。その分オペレーターよりも給与が高くなるといえるでしょう。
コールセンターのSVに必要なスキル
SVは、実務経験を積んでどのような業務にも対応できるスキルが必要です。優秀なSVはオペレーターやクライアントにとって、なくてはならない存在といえます。
主に必要なスキルは、「電話に対応する能力」「コミュニケーション能力」「リーダーシップ能力」です。ここでは、上記のスキルについて詳しく解説します。
電話に対応する能力
SVはまず、電話に対応する能力が高くなければいけません。
オペレーターでは対応しきれないクレームや難しい問い合わせがあった場合は、SVが代わりに応対する必要があるからです。
クレームの電話や判断の難しい問い合わせがあった際には、その場で判断できるSVがトラブルを大きくならないよう、お客様の用件をしっかり聞き取る必要があるでしょう。
状況によっては、再発の対策を考え、オペレーターへの共有なども行います。
コミュニケーション能力
SVは、オペレーターから頼られる存在でなければなりません。
顧客満足度や目標達成の数値以外にも、「困りごとがないか」「体調が悪そうでないか」など、オペレーターやそのほかのスタッフの様子に気を配ることも大切です。
また、SVは自分の考えをわかりやすく伝えたり、相手の意図しているものを理解したりと、きちんとしたコミュニケーションをとる必要があります。信頼関係を保ち、業務をスムーズに行うためにも必要です。
リーダーシップ能力
SVには目標に向かってチームを取りまとめるリーダーシップ能力に加え、現場で電話応対をするオペレーターのサポートする役割も求められます。そのため、お客様やオペレーターに対して、自分の能力を活かせるような面倒見の良い方は、SVとして活躍しやすいでしょう。
リーダーシップ能力には、以下のような力が必要です。
- 決断力
- 行動力
- 判断力
- 統率力
- 観察力
また、周囲をよい意味で巻き込み、人脈を形成するのもリーダーシップ能力といえます。
コールセンターSVの仕事はきつい?大変なこととは
コールセンターのSVの仕事は、よくきついといわれます。大変なことの原因は、主に以下の3つです。
- オペレーターのマネジメントを行う
- 何人ものオペレーターに対応するので、何度も同じ内容を教えなければならない
- 二次応対者となるため、クレーム対応が多い
これらの理由から「仕事が辛い」と感じるSVも中にはいます。
たしかに、SVが担う業務量は多く、責任も大きいため、大変に思うかもしれません。しかし、ハードな一面もあるからこそ、SVのやりがいも大きくなります。
責任感のある仕事
SVは、多くのオペレーターの勤怠管理や指導をしないといけないため、非常に責任が重い業務です。
日常の業務からオペレーターの見本となり「お客様の大切な時間をいただいている」といった気持ちで業務対応しなければなりません。
責任感のある仕事に携わった分、目標を達成したときの喜びは大きく「がんばってよかった」と思えます。特に、クライアントやお客様から言われるお礼の言葉は励みになり、仕事へのモチベーションもさらに高まるでしょう。
残業の多さ
SVは、業務量も対応する仕事の種類も多く、以下のようなケースで残業が発生する可能性もあります。
- 現場管理
- スタッフ育成
- 期限のある仕事の処理
そのほかにも、多くの仕事を決められた期限内に終わらせる必要があります。
さらに、指導や業務設計・面接・業務改善など幅広い仕事を担当するため、オペレーター時代よりも残業時間が長くなりがちです。責任が重いSVが、負担に感じてしまう場合もあるかもしれませんが、その分やりがいのある仕事といえます。
コールセンターのSVとしてのやりがいはある?
SVは、お客様に寄り添った目線を持てばよいだけではなく、企業としての目線も持つべき立場です。こういった多角的な考え方は、幅広いスキルを習得やキャリアアップにもつながります。
コールセンターの特性上、日々の積み重ねの結果が、数値で提示される場合も多いです。そのため、自分だけでなく、まわりのオペレーターが成長できていると実感すると、大きなやりがいを感じられます。
SVは決して一人で動いているわけではないので、助け合いの精神を意識すると業務が上手くいきやすいでしょう。
ここからは、SVの業務でどのようなやりがいが感じられるのかを紹介します。
チームワークで動いている
コールセンターはチームとして働く職業なので、多くの仲間と協力しながら全体をまとめていく必要があります。
チームとしてまとめるには、職場を明るい雰囲気にし、オペレーターが働きやすい環境になるように気をつけなければなりません。
重要な課題として「チームのために何をするべきか」と日頃から職場の仕組みづくりを考えるとよいでしょう。このように心掛けていると、日頃の振る舞いに自然と表れてオペレーターにも「安心して働ける」と、信頼してもらえます。
その結果、オペレーターのモチベーションが上がり、率先して業務を行うようになります。
感謝の言葉が嬉しい
お客様からの用件に、力を尽くして対応した結果、感謝の言葉を伝えてもらえたときは嬉しいものです。例えば、お客様の用件を理解し、解決すると、お客様の満足度アップにつながります。
頼りにされたり、社会の役に立っていることを実感したりすると、やりがいを感じられます。
お客様からかかってきた電話に応対するインバウンド業務では、お客様や企業からの気持ちを直接感じられるだけでなく、自分自身の成長も感じることが可能です。
仕事のスキルアップにつながる
コールセンターのSVは、オペレーターからキャリアアップしてなる場合があります。SVになることで、より上の立場の役職を目指せるでしょう。
キャリアアップする方法は、「転職」か「昇進」のどちらかです。昇進したい場合は、以下の選択肢があります。
- マネージャー
- センター長
SVとして経験を積むとさまざまな能力が鍛えられるため、コールセンターだけでなく、ほかの職種に転職するときにも有利になるでしょう。
コールセンターのSVになるための条件
すでにコールセンターで働いている方であれば、SVがどのような仕事かはご存知でしょう。その一方で、SVになるための必要なスキル・やりがい・資格の必要性などは、知らない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、コールセンターのSVになる条件を紹介します。
オペレーターやお客様から頼りにされるSVとはどうあるべきか把握したい方は、参考にしてください。
オペレーターとしての3年以上の実務経験者が多い
他業種からの転職でも、最初はオペレーターの経験を積まなければ、SVになれません。
ただし例外的に、他社でのSVを経験しているなどの条件をクリアしていれば、オペレーター経験がなくてもSVになれることがあります。
未経験の方はSVになるために、オペレーターとして働きながらSVを目指して実務経験を積んでいきましょう。
資格は必要ない
ここまで、コールセンターのSVの業務内容は多いとお伝えしました。
これだけ重要な役職だと「SVの仕事には資格が必要なのだろうか」と思った方もいるかもしれません。
SVになるために特別な資格は必要ありませんが、実際は業務の実績を積むことが最も大切です。
コミュニケーション能力やリーダーシップ能力など、何事にも取り組めるマルチな人材が求められるため、実務経験を積み重ねてステップアップしてください。
ただ、資格を取得しておくと、同じ業界での転職に有利であり、会社内での評価やモチベーションを向上するために、持っていてもよいでしょう。
コールセンターのSVとしての将来性
SVは、ポジションが上がるごとに、行動し判断する裁量権も大きくなるため、個人としての成長も十分感じられる仕事です。
しかし、このままSVとして働いていけるのか、近年のAI化で仕事はなくならないのかと心配になることもあるでしょう。
結論からいうと、SVの業務内容は教育・管理が主軸となるので、今後も需要がなくなることはないと予想されています。また、コールセンターのSV経験者は、将来的にほかのコールセンターでやっていく場合にも十分な実績となります。
そのため、SVは安心して目指せる役職だといえるでしょう。
まとめ
本記事は、コールセンターのSVについて紹介しました。
コールセンター業界においても人材不足は問題視されており、SVはオペレーターの育成・管理が必要となるため、今後さらに需要が高まるといえるでしょう。
SVは、多くのスタッフと連携を取りながら進めていくので、十分なスキルを磨けます。また、職場全体での目標達成や成長を実感できるので、やりがいもあります。SVとしてステップアップをしたいと考えている方は、ぜひ目指してください。